lemonlemonlemonのブログ

大腸がんの治療についてこれまで経験してきたこや、術後の日常のことを書きたいと思います。

術後補助化学療法を受けるかどうか1週間考えたこと(2)



術後に、補助化学療法を受けるかどうか悩んだ時のことを「術後補助化学療法を受けるかどうか1週間考えたこと(1)」に書きました。


その後、TKさんからコメントをいただいた時、もう一度「補助化学療法を受ける選択をした時のこと」を思い出して整理してみようと思いました。
自分にとって、とても大事なことだから、ちゃんと言語化して記録しておきたいと思ったのです。


私は、手術の後、外科医から補助化学療法をすすめられ、化学療法科に行きました。それで、いざ開始というとき、がん以外の問題(白血病を発病するリスク)が発覚してしまいました。


術後補助化学療法は、今の医学で確立された治療法で、再発の可能性を出来るだけ低くする目的なので、
私に何のリスクもなければ、手術を受けた時と同じように、標準的な治療法だから何のためらいもなく受けることを選択したと思います。


血液専門医と化学療法専門医からは、「補助化学療法は推奨するが、特にリスクについて十分承知した上で選択して下さい」との説明があり、一週間考えて返事をすることになったのです。


この説明の続きに、「決めるのはあなた。何か問題があったとき責任を取るのはあなたです」という無言の言葉が続いていて、私は自動的にその無言のメッセージも受け取ったのだと思います。だから、すごくドキドキして怖くなってしまったのかもしれないと今になって気づきました。


実際、よく考えてと言われても途方にくれるばかり。
生存利得プラス5%のためにリスク承知でやったほうがいいのか、
生存利得を5%あげるということがどれだけ重要なのか、
どう考えればいいのか、分からないことだらけ。
1週間考えることにはなったけど、考えれば考えるほど気が重くなっていったのです。


振り返ってみると、最初、何が最善の選択なのか、何を決め手に考えれば選択できるのかということに悩んでいいたのかもしれません。


その状況で、当時の私が補助化学療法を受けると決意したときの決め手は何だったのか?


それは、「万が一再発したら...」という不安と恐怖心があったからです。
この恐怖心とともに生きていかなければならない重圧感に自分は耐えられるのか。
その恐怖心を少しでも楽にすることができるのは何なのかを考えたのです。


自ずと、安心感のためにできる限りの安全策をとりたいと思いました。
同時に、自分が自分のために何かに取り組んだという満足感が必要なのだと思いました。
だから、「あの時、受けられる選択肢があったのにやらなかった」と後悔したくないし、
たったの5%の治療効果を信じるかと言えば、信じたかったのです。
そしてもう一つ。「出来ないと言われてしまうと、反対に諦めたくなくなる」という負けず嫌いというか変な闘争心が湧いてきたことも影響したのだと思います。


ということで、
「ちゃんと最後までやり通せるか分からないけど、出来るところまでやってみよう。
やれるところまでやれたなら、例えそれが途中で断念しなければならないとしても、それでいい。それで満足だ」という考えに落ち着いたのです。


そう考えたら迷いがなくなり、気持ちが切り替わって楽になりました。


そして、医師に、
「いろいろ考えましたが、ダメだったらその時に(途中で)やめるというのでもいいですか?」と伝えたのです。


今は、ゼローダの副作用が予想をはるかに超えて辛いので、正直、本当にこの選択をして良かったのかと迷うときはありますが、「やれるところまででいい。ドクターストップがかるところまで頑張ってみよう」という気持ちがあり、その気持ちが辛さを支えて頑張れているのかなぁと思います。


今回あらためて、自分が選択したときのことを振り返って整理できたことは、自分にとってとても大事な作業だったと感じることができました。


神様は、これでもかと試練を与えてくれますが、その試練に自分がどう向き合うか試されていると思う。
試されているのなら、自分に正直に生きる、今を精一杯生きるしかないのかなと思います。


TKさんに感謝です!



レモンの花に似ていますが、グレープフルーツの花です。