lemonlemonlemonのブログ

大腸がんの治療についてこれまで経験してきたこや、術後の日常のことを書きたいと思います。

フランキンセンス(乳香)とミルラ(没薬)

井浦新さん、朝ドラ「なつぞら」で仲さん役として出演されています。以前、「日曜美術館」でキャスターを務められていましたよね。


その井浦さんが「あさイチ」で、合成で作られた香りが苦手で、精油を自分でブレンドして使っているとおっしゃっていました。そして、「なつぞら」の役柄のイメージに合わせて、フランキンセンスをブレンドして使っているとのこと。そんなトークを聞いて、一気に井浦さんへの興味や関心が湧いてきました。


フランキンセンスと言えば、東方の三賢者が、キリスト誕生のお祝いに「黄金・フランキンセンス(乳香)・ミルラ(没薬)」を捧げたとされています。これが、クリスマスプレゼントの起源とも言われています。
ミルラ(Myrrh)は、ミイラの保存(防腐剤)に使われていたので、ミイラの語源という説もあります。


フランキンセンスとミルラは樹脂で、火にくべると白い煙とともに薫香が立ち上ります。樹脂の塊を水蒸気蒸留法で精油にして、香料として化粧品などに使われています。


それにしても、金と一緒に贈ったほどのフランキンセンスとミルラは、当時どれほどの価値があったのか気になります。宗教的な意味合い?香りや効能(薬効)?貴重さ?でしょうか?


ネットで検索したところ、神戸山手大学紀要第18号(2016.12)に投稿された小磯学先生の「乳香とオマーン その歴史、文化、観光について 研究ノート」を見つけました。
とても興味深くて面白い内容でしたので、引用します(引用多すぎですが💦)。


  • 紀元前4000年頃のバダリ文化の墓の副葬品のなかに、儀礼的に香 が焚かれた痕跡がある(谷田貝 2005:643)。
  • 紀元前3000年頃の古王国時代の第5-6王朝には中略)、ラー神に祈りを捧げる際には「香烟によって霊魂を天に呼ばせ給え」と唱えるならわしで、日の出には樹脂香(乳香)、日中は没薬、日没には16種の香料を混ぜ合わせた練香キフィが焚かれていた(藤 巻他 1980:46)。
  • 紀元前1500-1000年頃の『死者の書』には、「地上に落ちた神の汗」である乳香を牛の乳とともに焚べることで心身を祓い清め穢れや邪悪なものを遠ざけたことが記述されており、ハトシェプスト女王はプント国の乳香や没薬を得ることに腐心していた(山花 2010: 乳香とオマーン その歴史、文化、観光について 26-29)。またこれらはツタンカーメンの副葬品にも見出すことができる(Vine 1995: 47)。
  • 「乳香」という文字は『旧約聖書』に22回、『新約聖書』に3回登場し、(中略)多くの場合に礼拝の際に薫香として焚かれるが、創傷治療薬として用いられた記述も『旧約聖書』に3ヵ所見られる(野田 2012)。
  • 『新約聖書』に記された生誕時のイエ スへの3つの贈り物は各々「乳香=神、没薬=救世主、黄金=王」を表し、さらにキリスト教 では一般に「乳香=神に贈るもの、没薬=死者に贈るもの、黄金=王に贈るもの」とも解釈さ れている(図6)。



面白いですね!
興味のある方、続きは論文をお読みください。


フランキンセンスの効能は多様ですが、効能の一つにエイジング効果があり、現在私はフランキンセンスを使った化粧品のシリーズを使っています。効果のほどは???ですが、香りと使い心地はとても良いです。


樹脂の状態で買ったフランキンセンスは、お蔵入り状態でまだ使ったことはありません。どこかの引き出しに入っているので探してみます。ミルラの精油も、持ってはいますが、香りを嗅いだだけで使ったことはありません。


紀元前4000年も前から現在まで使われ続けているフランキンセンスとミルラ、これからはもっと使ってみたくなりました。