lemonlemonlemonのブログ

大腸がんの治療についてこれまで経験してきたこや、術後の日常のことを書きたいと思います。

豪雨被害の記憶、道路が川に...

前回の続きです。当時の記憶が蘇ったので備忘録として書き残そうと思います。


◯十年前の9月、大型大風による豪雨で、レモンが住む地域の河川が一気に増水し決壊、床上・床下浸水による被害を経験しました。


地下鉄の階段から川水が『滝』のように流れ込んできて、ホームが水浸しでした。この勢いだと、あっという間に水没してしまいそうでした。急いで階段を登り地上出口に出たところ、その光景は壮絶でした。


目の前が一面の川....ここ何処?というほど、水没するとここまで景色が変わってしまうのかという感じで、道路の面影もありませんでした。川の流れが速く、発泡スチロールか何かが流れに乗って目の前を横切りました。水位もレモンの腰以上ありました。『わ〜〜〜〜💦どうしよう』と立ち尽くしました。「ボート出ないかな」という声がチラホラ聞こえましたが、降り続く雨、水かさもどんどん増していくので、一人、二人、三人と川の中に入っていきました。深いところは男性でも腰が沈んでいました。元々ずぶ濡れに近い状態でしたが、泥水の中へ服を着たまま入るのは少し抵抗がありました。でも、その場に取り残されつつあったので、意を決して歩くことにしました。流れが早いところがあって、踏ん張らないとサンダルが脱げて流されてしまいそうでした。深いところでは胸の辺りまで水位があったと思います。終始「マンホールの蓋が空いていて、その穴の中に引きずり込まれるんじゃないか...」と考えながら必死に歩きました。通常駅から徒歩5分ほどのところですが、とても時間がかかったように感じました。


寮に着くと、玄関のドアは水圧で開けられない状態でした。それでも隙間から中に水が流れ込んでいくのがわかりました。1階の窓から、皆んながバケツや洗面器を使って流れ込んでくる水を外に掻き出していて、レモンはその窓から引っ張り上げてもらって中に入りました。みんなは一生懸命に水をかき出しているのに...申し訳ない気持ちがしましたが、誰かに「とりあえず着替えてから手伝って」と言われて自分の部屋に向かいかした。エレベータは動きません。地下に水が流れ込んでいく様子を見ながら階段を登り自分の部屋へ。洗面所で体を拭く水を汲もうとしたら、途中で水が止まってしまいました。


地下に浴室と食堂があったのですが、あっという間に水没。床上浸水の状態になり、全員上階に避難しました。後から分かったことですが、水位は1階の天井付近まで達したそうです。休日だったので、守衛さんは常駐しておらず、寮にいたメンバーで持ち寄った非常食と懐中電灯・蝋燭で一夜を過ごしました。電気もつかず、電話も使えず、外へも出られなかったので外部との連絡が取れませんでした。外を見ても真っ暗。この付近の人たちは無事なのかと心配しましたが、この建物内に何十人も取り残されているというのに、誰も救助にきてくれなかったことを覚えています。それでも、朝になれば何とかなると楽観視していました。


つづく。


▲インフィニティ・ローズ 雨の中咲きました。