lemonlemonlemonのブログ

大腸がんの治療についてこれまで経験してきたこや、術後の日常のことを書きたいと思います。

術後経過観察の通院、マスクの記憶が蘇って...

早いもので前回の造影CTから半年が経過、術後3年半の検査を受けるために病院へ。
今年4月の検査は、丁度、コロナの緊急事態宣言が出された直後でした。今回は、GO TOキャンペーンも始まり、電車の利用者が増え街中の人出もそれなりに戻って来ているので、4月と様相が変わっています。


病院へ向かう電車に乗っているとき、突然、3年半前の光景や心象が蘇りました。コロナが流り出してからというもの、車内、街中、建物内、どこを見ても目に入ってくるのはマスク、マスク、マスク姿の人々。その光景を見て、自分が化学療法を受けていた時のことをフラッシュバック!!。


最寄りの駅から病院まで徒歩5分程度ですが、この駅は大型施設が複数あるので多くの人々が利用します。3年半前はマスクをしている人の姿がポツリポツリと見える程度でした。マスクをしている人の姿を見ると、「この人治療中の人かもしれない」と思うのです。当然レモンもマスクをして帽子をかぶって日焼け止め手袋のフル装備。ですから、分かる人からは「治療中の人」ということになり、気の毒・可哀想な人、あの人癌だよねとか、抗癌剤や放射線療法をやっているのかな、怪しい人・変な人などと思われていたのではないかと思うのです....やはり、マスク姿はただならぬ印象がありました。


術後、医師から「5年生存率が60%、化学療法の効果として生存利得プラス10%、ただし副作用や白血病発症のリスクがあるので正確には言えない」と説明されていました。


レモンは白血病を発症するかもしれないというリスクがあったので、標準治療を諦めて抗がん剤1剤・経口投与の化学療法をするか、それとも化学療法をしないという選択を迫られました。短期間で結論を出さなければならず、悩みに悩んで最終的に化学療法をすることに決めました。


化学療法中は、リスク観察のため、通常より短いスパンで通院していました。真夏の猛暑の中、汗だくでもマスクは外さずフル装備。手足症候群が悪化して足の裏が痛くて歩くときに苦痛を伴います。同時に喉の痛み、身体中の熱感(平均体温37~37.5°C)、動悸、倦怠感、様々な不安等々、抗がん剤の副作用で心身共にグロッキーな状態で通院していました。当時は、再発・転移の恐怖を感じない日はありませんでしたが、思い出すと懐かしいやら、相当な苦労だったにも関わらずよく頑張ったと感慨深くもあります。現在ではすっかり普通の生活をしているというのに、まだ、微細な体の変化が気になったり、再発・転移の恐怖を感じない日はありません。


化学療法中は心身ともにかなりキツかったのですが、この間、いろいろなことを考えました。抗がん剤が効かなかったらどうしよう、あとどれくらい生きられるんだろう、突然白血病が発症してあっさり死んでしまうかもしれない、死ぬまでの治療に心身共に耐えられるのだろうか、命の期限が迫っていていてどうやってもあらがう事ができないないなら無駄に長生きしても辛いだけと一瞬自死の考えも浮かびました。ですが、実際、毎日生きることに貪欲でした。それどころか、どうせ死ぬなら今まで出来なかったことを真剣にやってみようという気持ちが湧いてきました。


化学療法中は免疫力が下がりやすいので、マスクや手洗い、うがいや歯磨きで口腔内の清潔を保つ、しっかり食べてしっかり眠る、生活リズムを保つ、副作用のケアを行う、ストレスを解消してメンタルヘルスを保つなど、常にこういうことを考えて生活をしていました。


コロナ禍で、殆どの人がマスクをしている現在の光景と、殆どの人がマスクや手洗いなどで感染予防をしている状況、レモンが化学療法をしていた時には想像もできなかった光景です。