lemonlemonlemonのブログ

大腸がんの治療についてこれまで経験してきたこや、術後の日常のことを書きたいと思います。

義父の他界は死の準備教育になった⑧湯灌と納棺

前回記事⑦の続きになります。最初の記事から時間が経ってしまい、早いもので、もう直ぐ四十九日となります。鮮明な記憶が薄れてきていますが、備忘録として、その時感じたことなど出来るだけ忠実に書こうと思っています。


全て納棺師さんにお任せするつもりでいましたが、「清拭か湯灌のどちらにしますか?」と聞かれ、実際、「湯灌」はどういうことをするのかが想像できなかったので、納棺師さんに聞いてみました。清拭はお湯で絞ったタオルで体を拭く、湯灌はシャワー(お湯)で体を洗うということだそうです。


「お義父さんは、しばらくお風呂に入れなかったから、シャワーで綺麗に洗ってもらってさっぱりして欲しい」と思わず口をついてしまったレモン。他の家族はまだ判断しかねていて、「どちらを選ぶ人が多いんですか?」「どちらが良いんですか?」「どちらがお勧めですか?」とすかさず質問。答えは、どちらを選ぶかは半々だそう。そして、どちらかが良いとか、お勧めというのではなく、家族の希望に添うとのことでした。ということで、最終判断は、私の一言が影響したようで、「レモンがそう言うなら湯灌にして貰いましょう」と全員の意見が一致しました。


そして、湯灌の準備に入りました。納棺師さんと家族とで、お義父さんをバスタブに寝かせました。これからどんな事が始まるのか、家族全員が最大の関心を寄せて、まるでショーを見るかのように身を乗り出してその様子を見守りました。まず、納棺師さんが、髪をシャンプーして、顔を拭いて、髭を剃って、耳も綺麗にして、全身をボディソープ(?)で洗って、最後にシャワーで洗い流しました。余計な肌の露出も無くて、丁寧かつ手際良くやって下さったので、安心してお任せ出来ました。不思議なことに、お義父さんのお顔が心なしかピンク色に染まって、とても気持ち良さそうな表情に見えました。まるで生きているかの様な表情でしたので、家族の悲しみが安らいだひと時にもなりました。これで、現世での穢れや苦しみを洗い清めましたので、次は着替えです。


ここで家族は一旦居間を退室。うろ覚えですが、映画『おくりびと』では、家族の目の前で、死装束に着替えさせるというシーンがあったような気がします。お義父さんの場合は、着替えが完了した時点で家族と対面という段取りでした。


お洒落なお義父さんが一番気に入っていた品の良い帽子、ジャケットにスラックスという出立ちに着替え終えていました。お顔もふっくらして(口の中に綿を詰めて貰い)、メイクも自然で顔艶も良く表情も和かでした。もう既に亡くなっているはずなのに、亡くなっているといった面影がなく、何度も言う様ですが、生きているかのようです。目を覚ませば、このまま直ぐ旅に出かけるようなお姿で、対面した家族の口からは、「おお〜」と驚きと感動の声が漏れました。何よりもお義母さんの満足そうな表情が見えたので、私も安心できました。


そして、全員で棺にお義父さんを安置し、ゆかりの品を納めました。これで、お義父さんの現世での穢れや苦しみを洗い清め、来世での功徳を願う儀式を終えました。家族一同、納棺師さんの一連の仕事に対して大満足でした。お義父さんもこれで気持ち良く旅立つことが出来ると思います。特別料金でしたが、このサービスを利用して良かったと思います。


さて、湯灌と納棺、自分だったらどうして欲しいか考えてみました。家族の目の前でシャワーをしてもらうことには抵抗があります。余計な肌の露出は配慮してもらえたとしても、一応女子なので恥ずかしいですね💦。でも、やはり体は清拭より良い香りのするボディソープで洗って貰い、シャワーですすいでもらってサッパリしたいし、頭も洗って髪の毛も整えたいですね。そして、着替えは、死装束ではなくて、お気に入りのお洋服を着たいです。。。死んでしまっているので、自分では出来ませんからね〜、ノーメイクより肌艶が綺麗に見えるようにメイクして貰った方がいいですよね。一通り体を綺麗にして旅立つためには、プロにやってもらうしかないのかなぁ。。。皆様はいかがですか?


これまで、「義父の他界は死の準備教育になった」を①〜⑧まで書きました。備忘録として、葬儀や火葬、仏壇、四十九日なども書き残しておきたいと思うのですが、連続で書き残すのは一旦終わりにしたいと思います。気が向いたらブログに載せるつもりです。読んでくださった皆様、コメントをくださった皆様、有難うございました。